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高山病について

高山病とは、高地で酸素が欠乏することによって引き起こされる、低酸素症と言う症状です。
地球上では全ての人や物に重力がかかっています。普段私達が気にしていない、空気中の酸素や窒素にも重力は平等にかかっています。それが気圧と呼ばれているものです。
この重力による圧力は、1平方センチメートルあたり、およそ1キログラム重かかっています。海抜0m地点の酸素はその上の空気の層に押されて人間にとって快適な濃度となっています。
高度が上がると気圧が下がり、空気が薄くなって酸素が少なくなります。海抜ゼロ地点と比較すると、標高1500メートルでは約20%、標高2500メートルでは約25%、標高8840メートル以上のエベレスト山頂付近では66%も酸素が減少します。
高所にあって、普段の生活で感じなかった体の異変は酸素の量が減少したことによります。血中の酸素をいつも通り運ぼうとして呼

吸が荒くなり、隅々まで酸素が行き渡らず、体がだるくなったりするのはこのためです。
こうした低酸素状態に対応しようとする体の変化は、誰にでも起こります。高所では殆どの人が高山病の症状を発症します。高山病の発症の程度は人それぞれで差があり、年齢や山の経験などに関係なく発症します。ただし、経験などから順応し発症しない場合もあります。高山病は次第に兆候が現れ、警告を発してきます。警告は素直に受け入れ対処することが大切です。

人間の体は、呼吸数や心拍数を増やしたりして、赤血球の生成を増やし、組織に酸素を多く供給することで、高地に適応(順応)しようとしています。
適応できなかった時に高山病の症状が現れます。
長年に渡って順応し、高地で生活する人々もいるのですから、人間の体は素晴らしいと言えます。

 

 

高山病の症状

高山病では、酸素不足のために一番細い血管(毛細血管)から周辺組織に血液中の水分が漏出して、浮腫が起こります。高山病の症状は、主に漏出した水分がどこにたまるかと、その量によって異なります。脳に水分がたまった場合は、軽度なら急性高山病の症状を生じ、重くなると高所脳浮腫を起こします。肺に水分がたまると高所肺浮腫を起こします。手足だと高所浮腫を生じます。
普段、標高の低い地域に住んでいる人や、高地に着いてすぐに激しい運動をすると高山病を起こしやすくなります。肺の病気(慢

性閉塞性肺疾患)や心臓および循環器系の病気、血液(血球)の病気のある人は、特に高地特有の障害が起こりやすくなります。
また、過去に高所肺浮腫や高所脳浮腫を起こしたことのある人は、再発しやすくなると言われています。
高山病の代表的な自覚症状は・・・。
1. 頭痛
2. 食欲不振、吐き気、嘔吐
3. 疲労、脱力
4. めまい、ふらつき
5. 睡眠障害

客観的症状として・・・。
1. 精神状態の変化(すぐに眠ってしまう、うつろ、日時や場所がわからなくなる等)
2. 運動失調(まっすぐ歩けない、立っていられない等)
3. 顔や手足のむくみ
 
高山病の重症型として注意しなければならないものに高地肺水腫と高地脳浮腫があります。
高地肺水腫: 肺がむくみ、水分が浸み出した状態で、呼吸がたいへん苦しくなります。呼吸とともにガラガラする音がしたり、せき

や血痰がみられたりします。肺を通して体に取り込める酸素の量がとても少なくなり、命の危険があります。

高地脳浮腫: 脳がむくんだ状態で、足元がふらつきバランスを崩してころぶ、意識を失うなどの症状が出現し、命の危険があります。

高地での処置には限りがあります。急性高山病を起こした人は、それ以上高度を上げずに、休みましょう。症状がなくなるまで、それ以上高い所に行くべきではありません。急性高山病の多くは1〜2日で治ります。そこに留まり、順応を待ち回復を図ります。回復しない場合は高度を下げることが重要です。
重症の場合はそこに留まらず、迷わず高度を下げつつ、下山をお勧め致します。
旅行の見地からすれば、無理をしないことが大切です。下山し、病院に出向く前にほとんど気にならなくなると思います。

 

 

高山病の予防 

1.  最大の予防は、余裕ある日程で、ゆっくり楽しく登るのが最良です。
2.  予防薬
       ダイアモックス(注)は有効であるという日本旅行医学会の報告もあり、予防薬として入山前より服
       用する方法もとられて います。但しダイアモックスには副作用として口唇、手足のしびれが出るこ
       とがあります、医師に相談してみましょう。
       高山病になってからも服用によって症状が軽減されます。

3.高地に到着後1〜2日間は激しい運動を避けましょう。

       登山やトレッキングの予定にもよりまずか、体が順応するまで控えましょう。
4.少量ずつ十分な栄養を摂りましょう。

       どこにいても、適度な栄養は不可欠です。消化器官に負担にならないよう、回数を分けてとりましょ
       う。
5.水分をたくさん摂り、トイレに行きましょう。
       高所では脱水が起こりやすく、渇きの感覚も鈍化します。高所での1日の水分必要量は4リットルを
       超えると言われています。
6.アルコールや喫煙は避けましょう。

       呼吸器や循環器などに負担をかけることがあります。
7.マスクを用意しましょう。
       乾燥した冷たい空気からのどを守り、保温効果もあり、風邪予防になります。
8.暖かくして快適な睡眠をとりましょう
       寒さによる震えは酸素消費量を増します。
9.自分の平静時の呼吸・脈拍数を確認しておきましょう。
       自身による高山病の目安になります。

高山病外来

当院では日本旅行医学会認定医による高山病の相談、検査、ダイアモックスの処方を行っております。
外来日は「月・木・金曜日の午前、土曜日の午後」となっております(整形外科外来(院長)のみ)。
なお、ダイアモックスは健康保険適用外となります。

 

 
 
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